2013年

2013年7月9日「生産性を向上させるには、仕事を立派に行うことによって昇進できなければならない。
周辺的な仕事の場合においてこれが可能となるのは、
それらの仕事を外部に任せたときだけである。アウトソーシングして初めて、
それらの仕事に機会と敬意と将来性を付加できる」【未来企業】

2013年7月5日「企業の第一の機能としてのマーケティングがあまりに多くの企業で行われていない。
言葉だけに終わっいてる。消費者運動がそのことを示している。
消費者運動が企業に要求しているものがマーケティングである。
それは顧客の要求、現実、価値からスタートせよと要求する。
企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する。
収入の基盤を顧客への貢献におけと要求する」【マネジメント】

2013年7月4日「企業は何かと問われると、たいていの企業人が利益を得るための組織と答える。
たいていの経済学者もそう答える。この答えは間違いであるだけではない。
的外れである」【現代の経営】

2013年7月1日「いかに単純化し組織化しても、なすべきことは利用しうる資源よりも多く残る。
機会は実現のための手段よりも多い。
したがって優先順位を決定しなければ何事も行い得ない」【創造する経営者】

2013年6月27日「仕事に関する助言というと、計画から始めなさいというものが多い。
まことにもっともらしい。問題はそれではうまくいかないことにある。
画は紙の上に残り、やるつもりで終わる。成果をあげる者は仕事からスタートしない。
時間からスタートする」【経営者の条件】

2013年6月26日「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。
弱みを気にしてはならない。利用できるかぎりのあらゆる強み、
すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならい」【経営者の条件】

2013年6月25日「成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と、
基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。
しかし組織というものが最近の発明であるために、
人はまだこれらのことに優れるに至ってない」【非営利組織の経営】

2013年6月24日「われわれは未来について二つのことしか知らない。
ひとつは、未来は知り得ない。もうひとつは、未来は今日存在するものとも、
今日予測するものとも違うということである」

2013年6月21日「えてして会社は、自らの経営幹部に対し、会社を生活の中心に据えることを期待する。
しかし仕事オンリーの人たちは視野が狭くなる。
会社だけが人生であるために会社にしがみつく」【現代の経営】

2013年6月19日「誰もが自らの強みについてはよく分かっていると思っている。
だが、たいていは間違っている。分かっているのはせいぜい弱みである」
【明日を支配するもの】

2013年6月17日「成功している組織には、あえて人を助けようとせず、
人づきあいもよくない上司が必ずいる。愛想が悪く、いつも不愉快そうでありながら、
だれよりも多くの人たちを教育し、育成する人、
最も好かれている人よりも尊敬を得ている人がいる。
部下と自らに厳しくプロの能力を要求する人がいる」【現代の経営】

2013年6月14日イノベーションにかかわる仕事、特に新事業、新製品、
新サービスの開発を目的とする仕事は、既存事業の現場のマネジメントではなく、
ノベーション担当の役員のもとにおかなければならない。

2013年6月12日マネジメントたる者は、成長の最低限度を検討しておかなければならない。
自らの強みと生命力を維持していける成長の最低限度はどこか。
生きていくための市場地位は確保しなければならない。さもなければ限界的な存在になる。

2013年6月11日変化を成功に結びつけるための最善の方法が、機会の追求である。
もちろん問題を無視してはならない。深刻な問題には真剣に対処する必要がある。
しかし、チェンジリーダーとなるためには、機会に焦点を合わさなければならない。
問題を餓死させ、機会を太らせなければならない。

2013年6月7日事業の定義は検証していかなければならない。石碑の碑文ではない。仮説である。
常に変化するもの、すなわち社会、市場、顧客、技術についての仮説である。
したがって、自己変革する能力もまた、事業の定義の中に組み込んでおかなければならない

2013年6月6日消費者運動や、環境破壊に対する攻撃は、企業が社会に与える影響について
自ら徹底的に検討し、目標を設定しなければならないことを学ぶための高価な授業料だった。

2013年6月5日コスト削減には常に努めなければならない。事業は人体と同じである。
健康な生活を送っていても調子は悪くなる。コスト削減は常に必要である。

2013年6月4日平凡で退屈な組織にさえ、優れたイノベーションの種は消化しきれないほどある。
問題は、せっかく仕上げた製品やサービスの死亡率があまりに高いことである。
だが、かつての乳児死亡率と同じように、その高さに必然性はない。
さほどコストをかけなくとも下げることはできる。

2013年5月31日ベンチャーが成功するのは、多くの場合、思いもしなかった市場において、
思いもしなかった顧客が、思いもしなかった目的のために買ってくれることによる

2013年5月30日運と機会はあらゆる人間活動に影響を与え、事業に影響を与える。
しかし、運だけで事業は作れない。機会を発見し、それを開拓する企業だけが繁栄し、
成長する。

「生産性を向上させるには、仕事を立派に行うことによって昇進できなければならない。周辺的な仕事の場合においてこれが可能となるのは、それらの仕事を外部に任せたときだけである。アウトソーシングして初めて、それらの仕事に機会と敬意と将来性を付加できる」【未来企業】

Posted on 2013年7月9日

たとえば大学職員である限り、学生食堂の主任はいかに有能でも、
いつまでたっても大学の一職員である。
学生食堂の運営は、大学の価値体系の中心には位置づけられてはいないからだ。

しかし、独立した給食会社の社員であれば、
昇進していくつもの大学食堂を管轄する事業部長になれる。
うまくいけば社長にもなれる。
問題に直面しても、会社には手を貸してくれる経験者がたくさんいる。
仕事や設備の改善案は真剣に受け入れられる。

ほとんどの周辺的な仕事は、社内に置き続ける限り独占事業である。
独占事業には残念ながら、生産性を向上させるインセンティブがほとんど働かない。

そこには競争も働きづらい。仕事ぶりを批判されると、人員増で応えようとする。
ところが、アウトソーシング先の場合、
サービスの向上とコストの削減に努めなければ、
いつ競争相手に委託契約を奪われても仕方ないことを承知している。

昇進の機会のない仕事はすべてアウトソーシングが常態となる。
これこそ事務処理的、保守管理的、補助的な仕事にとって、
生産性向上の唯一の方法かもしれない。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「企業の第一の機能としてのマーケティングがあまりに多くの企業で行われていない。言葉だけに終わっいてる。消費者運動がそのことを示している。消費者運動が企業に要求しているものがマーケティングである。それは顧客の要求、現実、価値からスタートせよと要求する。企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する。収入の基盤を顧客への貢献におけと要求する」【マネジメント】

Posted on 2013年7月5日

ドラッカーは「マーケティングが長い間説かれてきたにもかかわらず、
消費者運動が強力な大衆運動として出てきたことは、
マーケティングが実践されていないということである」と言い、
「消費者運動はマーケティングの恥である」と断じた。

マーケティングは基本中の基本の活動である。
販売部門を強化して、そこにマーケティングを任せるというわけにはいかない。
それは専門化すべき活動ではなく、全事業にかかわる活動であるからだという。

マーケティングは事業の最終成果すなわち顧客の観点から見た全事業である。
したがってマーケティングに対する関心と責任は、
企業活動の全領域に浸透させることが不可欠である。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「企業は何かと問われると、たいていの企業人が利益を得るための組織と答える。たいていの経済学者もそう答える。この答えは間違いであるだけではない。的外れである」【現代の経営】

Posted on 2013年7月4日

利益を目的とする「利潤動機」なる概念が存在するから、
利潤至上の反社会的な企業活動が行われ、
健全な企業活動への反感が生まれるし、
個人犯罪と企業犯罪の混同が起こる。

しかし、ドラッカーは心理学にさえ利潤動機などという概念は存在しないという。
実は、利益は企業の目的ではなく、存続の条件であり、
明日、もっと良い事業をするための条件なのである。

しかし、条件とされる方が、目的とされるよりもきつい。
しかも利益は、事業における行動や意思決定の妥当性の尺度である。
もちろんそれは、社会を支える税源でもある。

ドラッカーは「たとえ天使が社長になっても利益に関心をもたざるをえない」という。
利益計画の作成は必要である。
しかしそれは無意味な常套語となっている利益の極大化についての計画ではなく、
利益の必要額についての計画でなければならない。

その必要額は、多くの企業が実際にあげている額はもちろん、
目標にしている額をも大きく上回ることを知らねばならない。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「いかに単純化し組織化しても、なすべきことは利用しうる資源よりも多く残る。機会は実現のための手段よりも多い。したがって優先順位を決定しなければ何事も行い得ない」【創造する経営者】

Posted on 2013年7月1日

難しいのは劣後順位の決定、つまり、なすべきでないことの決定である。
一度延期したものを復活させることは、
いかにそれが望ましく見えても失敗というべきである。

このことが劣後順位の決定をためらわせる。
ドラッカーは優先順位の決定について次の原則を挙げる。
そのいずれもが、分析ではなく勇気にかかわる原則である。

第一が、「過去ではなく未来を選ぶこと」である。
第二が、「問題ではなく機会に焦点を合わせること」である。
第三が、「横並びではなく独自性を持つこと」である。
第四が、「無難なものではなく変革をもたらすものに照準を当てること」である。

大きな成果をあげる者は、機会を中心に優先順位を決め、
他の要素は決定要因ではなく制約要因にすぎないと見る。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「仕事に関する助言というと、計画から始めなさいというものが多い。まことにもっともらしい。問題はそれではうまくいかないことにある。計画は紙の上に残り、やるつもりで終わる。成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」【経営者の条件】

Posted on 2013年6月27日

彼らは計画からスタートしない。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートするという。
次に自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
そして得られた時間を大きくまとめる。

ドラッカーは言う。
「時間は借りたり、雇ったり、買ったりできない。
供給は硬直的である。需要が大きくとも供給は増加しない。
価格もない。限界効用曲線もない。
簡単に消滅する。蓄積もできない。永久に過ぎ去り決して戻らない」

時間の管理に取り組むには、
まず時間を記録することが必要である。
成果をあげるための第一歩は時間の記録である。

記録の方法を気にする必要はない。
自ら記録してよい。秘書など他人に記録してもらってもよい。
大切なことは、正しく記録することである。
記憶によってあとで記録するのではなく、
ほぼリアルタイムに記録することである。

「時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。
最低でも年2回ほど3、4週間記録を取るべきである。
記録を見て日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない」


【3分間ドラッカー 上田惇生】

「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みを気にしてはならない。利用できるかぎりのあらゆる強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならい」【経営者の条件】

Posted on 2013年6月26日

強みを生かすことは組織特有の機能である。
ドラッカーは組織における権力の正統性の基盤も、
この人の強みを生かすという組織の機能におくべきであるとまでいう。

組織といえども、人それぞれがもつ弱みを克服することはできない。
しかし、組織は人の弱みを意味のないものにすることができる。
成果をあげるには、強みを中心に据えて異動を行い、
昇進させなければならない。

人事には人の弱みを最小限に抑えるよりも、
人の強みを最大限に発揮させなければならない。

できることではなく、できないことに気を取られ、
弱みを避ける者は弱い人間である。

しかし部下が強みを持ち、
成果をあげることによって苦労させられた者など、一人もいない。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。しかし組織というものが最近の発明であるために、人はまだこれらのことに優れるに至ってない」【非営利組織の経営】

Posted on 2013年6月25日

成果をあげる方法は、かつての一人だけの工房の時代と、
今日の組織の時代とでは異なる。
せっかく知識や技能を身につけても、
まず初めに組織を通じて
成果をあげる能力を向上させておかなければ役に立たない。

しかも組織のニーズは非凡な成果をあげることのできる
普通の人によって満たさなければならない。

これこそ組織に働くものが応ずべきニーズである。
そもそも成果をあげる人間のタイプなど存在しない。
成果をあげる人たちは、気性や能力、仕事や仕事の方法、
性格や知識や関心において千差万別である。

共通点は、成果をあげる能力、
つまり、なすべきことを成し遂げる能力を身につけていることだけである。
「成果をあげることは一つの習慣である。
習慣的な能力の集積である。習慣的な能力は習得に努めることが必要である」


【3分間ドラッカー 上田惇生】

「われわれは未来について二つのことしか知らない。ひとつは、未来は知り得ない。もうひとつは、未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違うということである」

Posted on 2013年6月24日

ありがたいことにドラッカーは、ここで終わりにしない。
続けて言う「それでも未来を知る方法は、ふたつある」と。
一つは、自分で創ることである。
成功してきた人、成功してきた企業は、
すべて自らの未来を、みずから創ってきた。

ドラッカー自身マネジメントなるものが生まれることを予測する必要はなかった。
自分で生み出した。

もう一つは、すでに起こったことの帰結を見ることである。
そして行動に結びつけることである。
これを彼は、「すでに起こった未来」と名付ける。

出生率の動きを見れば、少子高齢化の到来はだれの目にも見えたはずだ。
だが、高齢化社会がいかなる社会となり、
いかなる政治や経済を持つことになるかを初めて論じたのはドラッカーだった。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「えてして会社は、自らの経営幹部に対し、会社を生活の中心に据えることを期待する。しかし仕事オンリーの人たちは視野が狭くなる。会社だけが人生であるために会社にしがみつく」【現代の経営】

Posted on 2013年6月21日

時折ドラッカーは、言いにくいことをズバリという。
仕事オンリーだと、
「空虚な世界へ移る恐ろしい日を延ばすために、
自らを不可欠の存在にしようとする」
と言う。

「バカな」と否定してみても、
心の奥深く行動の原点に近いところで、
不可欠の存在にしようとする意識の動きを感じることがある。

一方が縛り、一方がしがみつく関係が生産的であるはずがない。
「雇用関係とは、元々きわめて限定された契約であって、
いかなる組織といえども、そこに働く者の全人格を支配することは許されない」
これがドラッカーの持論である。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「誰もが自らの強みについてはよく分かっていると思っている。だが、たいていは間違っている。分かっているのはせいぜい弱みである」【明日を支配するもの】

Posted on 2013年6月19日

職業を選べる時代になったということは、
ところを得るために自らの強みを知ることが不可欠になったということだ。
ドラッカーは自らの強みを知る方法はあるという。

それは、フィードバック分析だ。
何かすることを決めたら、何を期待するかを書き留める。
9ヶ月後、1年後にその期待と結果を照合する。
ドラッカー自身がこれを50年間つづけたという。

いかなる仕事の仕方を得意とするかも重要だという。
ところが、多くの人たちが仕事にはいろいろな仕方があることを知らない。
そのため得意でない仕方で仕事をしている。
当然成果はあがらないという結果に陥る

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「成功している組織には、あえて人を助けようとせず、人づきあいもよくない上司が必ずいる。愛想が悪く、いつも不愉快そうでありながら、だれよりも多くの人たちを教育し、育成する人、最も好かれている人よりも尊敬を得ている人がいる。部下と自らに厳しくプロの能力を要求する人がいる」【現代の経営】

Posted on 2013年6月17日

そのような人は高い目標を掲げ、その実現を求める。
誰がどう思うかなど気にしない。何が正しいかを考える。
頭の良さより真摯さを重視する。

ドラッカーはこの真摯さなる資質に欠ける者は、
いかに有能で人づきあいがよくとも、組織にとって危険な存在であり、
上司として、紳士として不適格であるという。

真摯さに欠ける者が跋扈するとき、組織は死への道をたどる。
リーダー的資質など存在しないと断言するドラッカーが、
リーダーが持つべき唯一の資質として挙げるものが「真摯さ」という資質である。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

イノベーションにかかわる仕事、特に新事業、新製品、新サービスの開発を目的とする仕事は、既存事業の現場のマネジメントではなく、イノベーション担当の役員のもとにおかなければならない。

Posted on 2013年6月14日

新事業はいわゆる乳児であって、
しかも乳児のままでいる期間はかなり長い。
乳児をおくべきところは育児室である。

成人すなわち既存の事業や製品を担当する者には、
乳児に割ける時間はないし、理解することもできない。

乳児を育児室肉ことで世界的に有名なメーカーが3社ある。
洗剤と食品のメーカー、プロクター・アンド・ギャンブル、
医療と健康関連用品のメーカー、ジョンソン・アンド・ジョンソン、
各種工業製品と消費財製品のメーカー、3Mである。

これら3社は細かな点で違いはあっても、
基本的には同じ経営政策をもっている。
新事業は常に独立した事業としてスタートさせ、
専任のプロジェクト・マネージャーに担当させている。

【イノベーションと企業家精神】

マネジメントたる者は、成長の最低限度を検討しておかなければならない。自らの強みと生命力を維持していける成長の最低限度はどこか。生きていくための市場地位は確保しなければならない。さもなければ限界的な存在になる。

Posted on 2013年6月12日

加えて、健全な成長と病的な成長、
筋肉と脂肪と癌細胞の違いを知らなければならない。
見分け方は簡単である。

資源の生産性を高める成長は健全な成長である。
十分な栄養を与え、支援しなければならない。
これに対し、規模だけ増えて生産性が向上しない成長は脂肪太りである。

生産性を高めることができない量的な増加は、
汗を流して絞らなければならない。
もちろん、生産性の低下を招く規模の増大は、
思い切った手術で直ちに切除しなければならない。

【マネジメント】

変化を成功に結びつけるための最善の方法が、機会の追求である。もちろん問題を無視してはならない。深刻な問題には真剣に対処する必要がある。しかし、チェンジリーダーとなるためには、機会に焦点を合わさなければならない。問題を餓死させ、機会を太らせなければならない。

Posted on 2013年6月11日

そのためには、小さな、しかし根本的な変更が必要である。
問題ばかりを列挙したこれまでの月例報告の最初のページの前に、
新しい第一ページを加える。

売上にせよ、利益にせよ、
予想以上に成果をあげた分野に焦点を合わせたページである。

そして、問題の検討に投じていたのと同じだけの時間を、
それら新しい機会の検討に割く。

そして、次におこなうべきは、
最高の機会に最高の人材を割り当てることである。

そのための確実な方法の一つが、
一方で機会を列挙し、一方で人材を列挙し、
機会の重要な順に有能な人材を順に割り当てていくことである。

【明日を支配するもの】

事業の定義は検証していかなければならない。石碑の碑文ではない。仮説である。常に変化するもの、すなわち社会、市場、顧客、技術についての仮説である。したがって、自己変革する能力もまた、事業の定義の中に組み込んでおかなければならない

Posted on 2013年6月7日

事業の定義は、組織全体に周知徹底しなければならない。
組織が若いうちは容易である。
しかし成功するにつれ、
組織は事業の定義を当たり前のこととし、
特別の意識をもたなくなっていく。

やがて杜撰になる。
手を抜くようになり、
正しいことよりも都合の良いことを追いかける。

考えることをやめ、
疑問を発しなくなる。

答えのほうは覚えていても、
何が問題だったかを忘れる。
事業の定義が体質となる。
体質が規律の代わりを務めることはない。
事業の定義は規律である。

【未来への決断】

消費者運動や、環境破壊に対する攻撃は、企業が社会に与える影響について自ら徹底的に検討し、目標を設定しなければならないことを学ぶための高価な授業料だった。

Posted on 2013年6月6日

企業にとって、社会との関係は自らの存立にかかわる問題である。
企業は社会と経済の中に存在する。
ところが企業の内部にあっては、
自らがあたかも真空に独立して存在していると考えてしまう。

事実、マネジメントの多くも、
自らの事業を内部から見つめている。
しかし企業は、社会と経済のなかに存在する被創造物である。

社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力をもつ。
企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのであり、
社会と経済が、その企業が有用かつ生産的な仕事を
しているとみなす限りにおいて、その存続を許されているに過ぎない。

【エッセンシャル版】

コスト削減には常に努めなければならない。事業は人体と同じである。健康な生活を送っていても調子は悪くなる。コスト削減は常に必要である。

Posted on 2013年6月5日

通常、コスト削減は、そのことにより、
どうこの活動の効率が落ちないかを考えることから始まる。
これは間違いである。

そうではなくて、
この活動をやめたら屋根は落ちるかを考えなければならない。
おそらく大丈夫ということならば、
活動自体をやめるべきである。
やめても問題のない活動がいかに多いかには驚かされるはずである。

コスト削減に成功している企業では、
必要に迫られるまでコスト削減を待つことはしない。
そうした企業は、コスト削減を日常の仕事に織り込んでいる。

体系的な廃棄を日常の仕事にしている。
そうして現場の抵抗を回避することに成功している。

【永続的コスト管理】

平凡で退屈な組織にさえ、優れたイノベーションの種は消化しきれないほどある。問題は、せっかく仕上げた製品やサービスの死亡率があまりに高いことである。だが、かつての乳児死亡率と同じように、その高さに必然性はない。さほどコストをかけなくとも下げることはできる。

Posted on 2013年6月4日

死亡率の高さは、戦略を知らないからである。
戦略さえ適切であれば、成功率は格段に上がる。
起業家戦略は四つある。
総合力戦略、二番手戦略、価格戦略、ニッチ戦略である。
これらは互いに相容れないものではない。
二つあるいは三つの戦略を組み合わせて一つの戦略にすることもできる。

しかし、これら四つの戦略にはそれぞれの特質がある。
適合するイノベーションと適合しないイノベーションがある。
それぞれが起業家に対し異なる行動を要求する。
特有の限界をもち、特有のリスクをともなう。

【イノベーションと起業家精神】

ベンチャーが成功するのは、多くの場合、思いもしなかった市場において、思いもしなかった顧客が、思いもしなかった目的のために買ってくれることによる

Posted on 2013年5月31日

この事実を認識し、
予期せぬ市場を利用できるよう自らを組織しておかない限り、
すなわち、あくまでも市場志向、市場中心でない限り、
ベンチャーは競争相手のために機会を作っただけに終わる。

ベンチャーは、自らの製品やサービスが、
思いもしなかった市場において、
思いもしなかった使われ方のために、
思いもしなった顧客によって買われるとの前提で
事業をスタートしなければならない。

市場志向でなければ、
生み出すものは競争相手のための市場となる。

【イノベーションと起業家精神】

運と機会はあらゆる人間活動に影響を与え、事業に影響を与える。しかし、運だけで事業は作れない。機会を発見し、それを開拓する企業だけが繁栄し、成長する。

Posted on 2013年5月30日

しかも、いかに体制を整えようとも、
実現できるものはその可能性をはるかに下回る。
機会は、現実に実現される物の数を常に上回る。

危険や弱みが機会の存在を教える。
それらを機会に転化するとき、異常な成果が得られる。
時には、そのような転化はマネジメントの姿勢だけでもたらされる。

機会の存在は3つの問いによって明らかにされる。
第一に、事業を脆弱なものにしている制約は何か。
第二に、事業内においてアンバランスになっているものは何か。
第三に、事業に対する脅威として恐れているものは何か。

【創造する経営者】