2014年

2014年12月20日
組織変更で業績悪化は解決しない「組織は戦略に従う」
2014年12月11日
会社オンリーで終わらせない「第二の人生」の準備
2014年11月22日
「何によって憶えられたいか」その問いかけが人生を変える
2014年11月10日
「ミッションは何か」ミッションが定まればとるべき行動は明らかである
2014年11月4日
昨日を切り捨て廃棄することで新しいことを始める
2014年10月26日
知識労働者は組織を通じて成果をあげなければならない
2014年10月13日
経営幹部よ外へ出よ! そして顧客を知れ!
2014年10月6日
現代の組織は知識の専門家によるフラットな組織である
2014年9月29日
経営者にとって真摯さほど重要なものはない。
2014年9月23日
マネジメントで社員の幸せと企業の存在意義が決まる
2014年9月15日
成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならい。
手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。
組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。
そして責任を中心に据える。
2014年9月7日
自らに課せられたそれぞれの使命を果たすことが企業の存在理由となる。
2014年8月26日
仕事には時間を無駄にするものがたくさんある。
2014年8月9日
目標管理を導入せずして組織の円滑なコミュニケーションはない
2014年7月21日
成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。
弱みを気にし過ぎてはならない。
利用できるかぎりのあらゆる強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、
自らの強みを総動員しなければならない。

2014年7月15日
優れたリーダーは“私”とは言わずに“われわれ”という
2014年7月6日
仕事の多くは、たとえごくわずかの成果をあげるためであっても、
まとまった時間のかたまりを必要とする。こま切れでは意味がない。

2014年6月28日
利潤動機なるものを疑え、利益は世のため、人のための必要条件である。
2014年6月21日
企業が成長を目標にすることは間違いである。成長は企業存続の条件にすぎない。
2014年6月14日
成果をあげるには貢献に焦点を合わせなければならない。
手元の仕事から顔を上げ、目標に目を向けなければならない。
組織の成果に影響を与える貢献は何かを自らに問わなければならない。

2014年6月7日
成果を上げる秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。
成果を上げる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。

2014年6月3日
「予期せぬ成功」ほどイノベーションの機会となるものはない。
しかるに予期せぬ成功は無視される。困ったことには、
その存在を認めることさえ拒否される。

2014年5月24日
人の強みではなく弱みに焦点を合わせる者に、マネジメントの資格はない
2014年5月18日
成長に最大の責任をもつ者は、本人であって組織ではない。
自らと組織を成長させるためには何に集中すべきかを、自ら問わなければならない。

2014年5月5日
変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである
2014年4月18日
手っ取り早く、しかもおそらくもっとも効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、
仕事を定義しなおすことである。特に、行う必要のない仕事をやめることである。

2014年4月13日
上司は部下の仕事に責任を持つ。部下のキャリアを左右する。
したがって、強みを生かす人事は、成果を上げるための必要条件であるだけでなく、
倫理的な至上命令、権力と地位に伴う責任である。

2014年4月8日
ボランティアの大勢が善意のアマチュアからスペシャリストとしての無給の
スタッフに移行したことこそ、アメリカ社会の最も重要な変化である。

組織変更で業績悪化は解決しない「組織は戦略に従う」

Posted on 2014年12月20日

業績が悪化すると、組織のせいにして、組織をいじりだす。
組織改革なるものの多くがこの手のものである。
ところがさしたる知恵もないために、どこからかモデルを借りてくる。

しかし、組織づくりの最悪の間違いは、
絵に描いたモデルを生きた組織に機械的に当てはめることから生じる。
組織は、それぞれの企業の状況と戦略に従って決めるべきものである。

ドラッカーは「業績を自動的に上げる組織があるに違いない」などという
考えを捨てよという。
大事なのは、組織の中の人間が、成果を上げやすくすることである。
組織を変えるだけでは、問題の解決にはつながらない。
もちろん、組織の基本的なパターンは知っておいた方がよい。
しかし、そのどれを使うかは、戦略いかんである。

組織の条件は、シンプルで分かりやすいことである。
組織は働く人たちの生産性を高めるための道具である。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

会社オンリーで終わらせない「第二の人生」の準備

Posted on 2014年12月11日

知識社会に特有の上方への移動は高い代償を伴う。
それは、競争にともなう心理的な圧力と精神的なストレスである。
ドラッカーは、われわれが今直面している社会を
知識社会(ネクスト・ソサエティ)と呼ぶ。
知識社会には3つの特徴がある。

第一に、万人に職業選択の自由がある転職可能な社会である。
第二に、万人に教育の機会が与えられるがゆえに、
誰もが出世可能な社会である。
第三に、万人が知識を手に入れ、しかも万人が勝てるわけではないがゆえに、
成功と失敗が併存する社会である。
昔の社会はそうではなかった。
無産者の子は無産者であっても敗者ではなかった。
ところが、知識社会では、勝者がいて敗者がいる。
全員がいつまでも順風満帆というわけにはいかない。
おまけに、ほとんどの人が、長い第二の人生を持つことになった。

したがって、会社オンリーだと辛いことになる。
本人のせいではない。そのような時代になったということである。
そこでドラッカーは、他のことと同様に、
いつから始めるにせよ、準備が必要だという。

「知識労働者たる者は、若いうちに、
非競争的な生活とコミュニティを作りあげておかなければならない。
コミュニティでのボランティア活動、地元でのオーケストラへの参加や、
小さな町での公職など、仕事以外の関心事を育てておく必要がある」

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「何によって憶えられたいか」その問いかけが人生を変える

Posted on 2014年11月22日

「私が13歳のとき、宗教の先生が、
『何によって憶えられたいかね』と聞いた。
誰も答えられなかった。
すると、『今答えられると思って聞いたわけではない。
でも50になっても答えられなければ、
人生を無駄に過ごしたことになるよ』といった」

ドラッカーは続けてこういう。
「運のよい人は、
私の宗教の先生・フリーグラー牧師が問いかけてくれたように、
この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、
一生を通じて自らに問いかけていくことができる」

したがって、このコラムを読まれた方は、
ドラッカーのいう、運の良い人に相当することになる。
1年に2度、たとえば自分の誕生日と大晦日に、
この問いを自らに問いかける、
この問いかけは、それだけで、3年後5年後には仕事が変わる、
人生が変わる、魔法の問いかけである。

まさか、横綱・朝青龍を投げ飛ばした男として
憶えられたいなどと考える人はいないはずである。
誰もが、今の自分よりも、ちょっとだけ良い自分、
誇れる自分、すばらしい自分、しかし、なりうる自分を思い描く。

すると、毎日の一挙手一投足がそちらに向かう。
「今でも私は、この問い、何によって憶えられたいかを
自らに問いかけている。これは、自己刷新を促がす問いである。
自分自身を若干違う人間として、しかしなりうる人間として見るよう、
仕向けてくれる問いである」

【3分間ドラッカー 上田惇生】

「ミッションは何か」ミッションが定まればとるべき行動は明らかである

Posted on 2014年11月10日

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ドラッカーが好きな「ミッション」の例は、
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かつての通信販売会社シアーズのものだという。
「我々のミッションは、農家のためにバイヤー役を務めることである」
このミッションの下では、取るべき行動は明らかである。
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農家が必要とする優れた製品を安く安全に提供すればよい。

ドラッカーは病院の救急治療室のミッションの検討に手を貸したことがある。
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答えは「患者を安心させること」だった。
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だがそのためには、一分以内に診察しなければならなかった。
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それがミッションであり、ミッションに続く行動だった。
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それが患者を安心させる唯一の道だった。
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ドラッカーは、非営利組織(NPO)の活動が重要だから、
その発展に力を入れた。しかしそれだけではなかった。
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企業の手本になるから、非営利組織のマネジメントにも力を入れた。
そして、非営利組織にとって最も重要であり、
かつ企業が学ぶべき最も重要なことが、
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ミッションを持ち、そこから行動を導くことだった。
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ミッションは行動本位たるべきものである。
さもなければ、単なる意図に終わる。
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ミッションとは、組織に働く者全員が、
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自らの貢献を知り得るようにするものでなければならない。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

昨日を切り捨て廃棄することで新しいことを始める

Posted on 2014年11月4日

長い航海を続けてきた船は、船底に付着した貝を洗い落とす。
さもなければ、スピードは落ち、機動力は失われる。
あらゆる製品、あらゆるサービス、あらゆるプロセスが、
常時、見直されなければならない。
多少の改善ではなく、根本からの見直しが必要である。

なぜなら、あらゆるものが、
出来上がった途端に陳腐化を始めているからである。
そして、明日を切り開くべき有能な人材がそこに縛り付けられるからである。

ドラッカーはこうした陳腐化を防ぐためには、
まず廃棄せよと言う。廃棄せずして、新しいことは始められない。
ところが、あまりにわずかの企業しか、昨日を切り捨てていない。
そのため、あまりにわずかの企業しか、
明日のために必要な人材を手にしていない。

自らを陳腐化させられることを防ぐには、
自らのものはすべて自ら陳腐化するしかない。
そのためには人材がいる。その人材はどこで手に入れるか。
外から探してくるのでは遅い。成長の基盤は変化する。
企業にとっては、自らの強みを発揮できる成長分野を探しだし、
もはや成果を期待できない分野から人材を引き揚げ、
機会のあるところに移すことが必要となる。

乱気流の時代においては、陳腐化が急速に進行する。
したがって昨日を組織的に切り捨てるとともに、
資源を体系的に集中することが、成長のための戦略の基本となる。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

知識労働者は組織を通じて成果をあげなければならない

Posted on 2014年10月26日

今日では、知識を基盤とする組織が社会の中心である。
知識や理論を使うよう学校で教育を受けた人の多くが
ますます多くの組織で働いている。
彼らは組織に貢献して初めて成果をあげることができる。

ドラッカーは、成果をあげることは、
新入社員であろうと中堅社員、経営幹部であろうと、
彼ら自身の自己実現のための前提だという。
しかし知識労働者たる者は、
組織において、自らをマネジメントしなければならない。

動機づけも、組織を通じて成果をあげることにかかっている。
組織において成果をあげられなければ、
仕事に対する意欲は減退し、九時から五時まで体を動かすだけとなる。
しかも、知識労働者が生み出すものは、
知識、アイデア、情報である。
彼らのアウトプットは、それだけでは役に立たない。
膨大な知識を得ても、それだけでは意味をなさない。

知識労働者には肉体労働者には必要のないことが必要である。
すなわち、自らのアウトプットを他の者に供給することである。
他の者のアウトプットと結合させなければ、成果とはなりえない。

しかし、組織に働く者は、成果をあげることを要求されながら、
それが至って困難であるという状況にある。
時間は他人にとられる。雑用に追われ続ける。
成果をあげようと意識して努力しない限り、
まわりを取り巻く現実が彼ら知識労働者を無価値とする。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

経営幹部よ外へ出よ! そして顧客を知れ!

Posted on 2014年10月13日

市場、技術、流通チャネル、価値観など、
企業の周りにある一切のものが変化のさなかにあるとき、
部屋で報告を待っていたのでは手遅れになる。

ところが、確立された大企業ともなれば、
経営幹部は、自室と会議室との往復だけとなりがちである。
これに時折、経済団体の会合が加わる。

ドラッカーは、経営幹部に対する最も有効な助言は、
休暇を取ったセールスマンに代わって顧客を訪問することだという。
あるいは、店先に立って客の相手をすることだという。

あるハンバーガーチェーンの創立者は、
いつも外から自分の店の中を観察していた。
ある靴屋チェーンの創立者は、いつも繁華街をうろついていた。
ドラッカーの知っているある病院では、
その病院幹部は年に一度、一泊入院することにしているという。

成果というものは、企業の内部には存在しない。
顧客が注文しカネを払い込んでくれるまでは、
内部に存在するものはコストだけである。
したがってドラッカーは、最初になすべきことは、
外に出かけることを習慣化することだという。
外に出かけることによって、初めて顧客に接することができる。
接して初めて顧客が誰であり、
顧客にとっての価値が何であるかを知ることができる。

わずか2日間カウンターの後ろに立つことによって、
自分の会社についていかに多くのことを学べるかということは、
驚くべきものがある。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

現代の組織は知識の専門家によるフラットな組織である

Posted on 2014年10月6日

知識労働のための組織は、
今後ますます専門家によって構成されることになる。
彼ら専門家は、
自らの専門領域については、組織内の誰よりも詳しくなければならない。

いまや先進国では、あらゆる組織が、
専門家によって構成される知識組織である。
そのため昔と違って、ほとんどの上司が、自分の部下の仕事を知らない。
そもそも今日の上司には、部下と同じ仕事をした経験がない。
彼らが若かったころには、なかったような仕事ばかりである。

したがって彼らのうち、
部下たる専門家の貢献を評価できるだけの知識をもつ者もいない。
いかなる知識といえども、他の知識より上位にあるということはない。
知識位置づけは、それぞれの知識に特有の優位性ではなく、
共通の任務に対する貢献度によって規定される。

かくして現代の組織は、知識の専門家によるフラットな組織である。
じつにそれは、同等の者、同僚、僚友による組織である。
そしてそのフラットな組織において、
彼らの全員が、まさに日常の仕事として、
生産手段として自らの頭脳を用い、
組織の命運にかかわる判断と決定を連日行う。
つまり全員が責任ある意思決定者である。
もっともドラッカーは、
自分よりも詳しい者が同じ組織にいるようでは、専門家とはいえないと言う。
現代の組織は、ボスと部下の組織ではない。僚友によるチームである。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

経営者にとって真摯さほど重要なものはない。

Posted on 2014年9月29日

好むと好まざるとにかかわらず、
経営者は、共に働く人たちの範となることが求められる。
さらには、社会を構成するあらゆる人たち、
やがて社会の担い手となる若い人達の範となることが求められる。なぜならば、
現代社会を動かしている最も目立つ人たちが組織で働く経営者であるからだ。
もはや、代わるべき人たちが、他に十分いないからでもある。

かつてのように、教師、医師、曽呂に任せればよいというわけにはいかない。
社会の質を規定するものは、真摯さである。
真摯さが欠落した社会は社会たりえない。
群衆にすぎず、烏合の衆にすぎない。
したがって、範となるべき人たちに最も求められるものが真摯さだ。

人は仕事ができるほどまねをされる。
まねをされるからこそ範となれる。
ドラッカーは経営者にとって絶対的に重要なものが、
真摯さであると繰り返し説く。
しかもドラッカーに言わせれば、企業で働く人すべてが経営者=経営管理者だ。
こうして新しい諸々の課題を前にした経営者たちの仕事ぶりが、
経済と文明の行方を左右する。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

マネジメントで社員の幸せと企業の存在意義が決まる

Posted on 2014年9月23日

「マネジメントとは、事業に命を吹き込むダイナミックな存在である」
ドラッカーは続けてこういっている。
「マネジメントとは、まぎれもなく、産業社会における主導的な存在である」
マネジメントが主導的な機関として出現したこと自体が、
人類史上、画期的な出来事である。

ドラッカーの問題意識は、産業社会は成立するか、
企業は人を幸せにするかにあった。
その答えが、「成立する」「幸せにする」だった。
そして、それを可能にする主役となるべきものが、マネジメントだった。
こうしてマネジメントが、文明の担い手となった。
それは単なるカネ儲けの手段ではなかった。
数式モデルとデータによるゲームまがいのものでもなかった。

ドラッカーが教えてくれたものは、
気高きもの、堂々たるものとしてのマネジメントだった。
ドラッカーは、企業とそのマネジメントの成否が、
社会の行方を左右するとした。

このドラッカーの言葉に勇気づけられ、
経営の指針としてきた経営者は多い。
ドラッカーは、こうしてマネジメントを深化集大成し、
本書「現代の経営」によって、マネジメントの発明者、
マネジメントの父と仰がれるようになった。

「文明が存在する限り、マネジメントは、
基本的かつ支配的な機関として残る。」

それは近代経済の特性および企業のニーズからして不可欠のものである。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならい。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして責任を中心に据える。

Posted on 2014年9月15日

自ら果たすべき貢献を考える者は、部下が果たすべき貢献についても考える。
あなたに期待できることは何かと聞く。
こうして本当のコミュニケーションが行われるようになる。
しかも、貢献に焦点を合わせることによって、
横へのコミュニケーション、すなわちチームワークが可能となる。

加えて、最も重要な貢献は何かを自問することは、
いかなる自己啓発が必要か、いかなる能力が必要かを考えることに繋がる。
そして、貢献に焦点を合わせるならば、
部下、同僚、上司を問わず、人の自己啓発を触発することになる。
仕事のニーズに根ざした基準を設定することになる。
すなわち卓越性を要求するようになる。

こうしてドラッカーは、貢献に焦点を合わせることによって、
コミュニケーション、チームワーク、自己啓発、人材育成という、
成果をあげるうえで必要な四つの基本条件を満たすことができるという。
我々は人についても組織についても多くを知らない。
しかし、人にせよ組織にせよ、
果たすべき貢献を考えることによって成長することは知っている。
「自ら少ししか求めなければ成長しない。
多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する」

【3分間ドラッカー】

自らに課せられたそれぞれの使命を果たすことが企業の存在理由となる。

Posted on 2014年9月7日

いかなる組織といえども、
本来の機能の遂行という最大の責任を果たさないならば、
他のいかなる責任も果たせない。
倒産する企業は、望ましい雇用主ではない。
地域社会にとって、よき隣人でもない。

経営者とは、組織の召使いである。
したがって、経営者にとって最大の責任は自らの組織に対するものである。
本業において社会に貢献することである。

大きな組織の長として公的な地位につき、
社会の問題についてリーダー的な役割を果たしたとしても、
自らの企業や大学を不振に陥れたのでは、公人とは言えない。
単なる無責任である。与えられた信任に応えていない。

ドラッカーは、組織がそれぞれに特有の使命を果たすことこそが、
社会が関心を持ち、必要としていることだという。
個々の組織がその特有の使命を果たす能力を損なうことは、社会の損失である。
それぞれの使命を果たすことが、組織にとっての存在理由である。
しかも現代社会においては、働く人間にとっても、
組織は自らの強みをもってなんらかの貢献を行い、
自己実現するための、ほとんど唯一といってよい手段である。

組織の基礎となる原理は、
「私的な悪徳は公共のためになるではない。
個人の強みは公共のためになる」である。
これがマネジメントの正統性の根拠である。
マネジメントの権限の基盤となるべき理念的原理である。

【3分間ドラッカー】

仕事には時間を無駄にするものがたくさんある。

Posted on 2014年8月26日

何の成果ももたらさない仕事が大半の時間を奪っていく。
ほとんどは無駄である。
地位が高くなれば、その高くなった地位が、さらに時間を要求する。
仕事には時間を無駄にするものがたくさんある。
得意先からの電話に「出られない」とは言えない。
日曜のゴルフの話であろうと、
娘が希望の大学に入ったという話であろうと、
得意先の話には耳を傾けなければならない。

院長は「出てください」と言われた会議には出なければならない。
出なければ医者や看護師や技術者が
「自分たちは軽く見られている」と思う。
政府機関の長は、議員が電話をしてきて
電話帳や年鑑で分かることを聞いてきても、
ていねいに応対した方がよい。そのようなことが一日中続く。

誰もが同じ事情を抱えている。
成果には何も寄与しない仕事に時間を取られる。
膨大な時間が、ほとんどあるいはまったく役に立たないことに費やされる。
ドラッカーはただでさえ時間のないところへ持ってきて、
マネジメント上の欠陥による時間の浪費もあるという。

少なくとも、すでに起きたことのある問題で
同じ混乱を三度起こしてはならない。
混乱に対処できるようになることは進歩とは言えない。
対処以前の問題として、予防するか、
日常の仕事にルーティン化してしまわなければならない。
いちち時間を取られてはならない。
よくマネジメントされた組織は日常はむしろ退屈な組織である。

【3分間ドラッカー】

目標管理を導入せずして組織の円滑なコミュニケーションはない

Posted on 2014年8月9日

耳を傾けることはコミュニケーションの前提である。
だが、耳を傾けるだけでは、
効果的なコミュニケーションは実現しない。
耳を傾けることは、
上の者が下の者の言うことを理解できて初めて有効となる。
ところがドラッカーは、下の者は当然のことながら、
上の者であっても
コミュニケーション能力を持ち合わせているとは稀であるという。
そこでドラッカーは、組織におけるコミュニケーションの近道を教える。
しかも、近道であって王道である。
それはドラッカーが開発した目標管理だ。

ドラッカーは目標管理を導入して初めて
組織の円滑なコミュニケーションが成り立つという。
なぜなら部下は、会社もしくは自らの部門において、
いかなる貢献ができるのかを明らかにすることが求められるからである。

部下の考えが上司の期待どおりであることは稀である。
事実、目標管理の最大の副産物は、
上司と部下のものの見方の違いを明らかにすることにある。

同じ事実を違ったように見ていることをお互いに知ることこそが、
コミュニケーションの第一歩である。
コミュニケーションは私からあなたへ伝達するものではない。
それは、われわれの中の一人から、
われわれの中のもう1人へ伝達するものである。
組織においてコミュニケーションは手段ではない。
それは組織の在り方そのものである。

【3分間ドラッカー】

成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みを気にし過ぎてはならない。利用できるかぎりのあらゆる強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。

Posted on 2014年7月21日

ドラッカーは弱みを克服せよとは決して言わない。
そのようなことは至難である。
たとえ成功しても、その過程で強みまで危うくする。
しかし、組織は人それぞれの弱みを意味の無いもの、
たいしたことではないものにすることができる。

組織の役割は、一人ひとりの強みを、
共同の事業のための建築用ブロックとして使うことにある。
ドラッカーは、人の強みを生かし弱みを意味のないものにすることこそ、
組織の正当性の唯一の根拠だという。

これができなければ、
組織にはどなたかのお子さんに
あれこれ命令する権利や権力など許されるはずがない。

北軍を率いたリンカーン大統領は、
最高司令官の人選のとき、
グラント将軍の酒好きを心配した参謀に対し、
「銘柄がわかれば他の将軍たちに贈りなさい」と言ったという。
リンカーンは酒好きは承知していた。
しかし、北軍の将軍の中で、
常に勝利をもたらしてくれるのはグラントだった。

酒好きという弱みではなく、
戦い上手という強みに基いて最高司令官を選んだがゆえに、
リンカーンの人事は成功したのだった。

大きな強みをもつ者は、ほとんど常に大きな弱みを持つ。
山があるところには谷がある。

【3分間ドラッカー上田淳生】

優れたリーダーは“私”とは言わずに“われわれ”という

Posted on 2014年7月15日

優れたリーダーは“私”とは言わない。
意識して言わないのではない。
私を考えないのである。
いつも、われわれを考える。チームを考える。
彼らは自分の仕事が「チームを機能させることだ」ということを知っている。
責任を引き受け、逃げることをしない。
成果はわれわれのものとする。
考えることは、「なされるべきことと、チームのこと」だけである。
そこから信頼が生まれ、なされるべきことがなされる。

ドラッカーはリーダー用の資質などというものはないと言う。
しかしリーダーたるために必要とされる姿勢はいくつかある。

第一が、人に聞くことである。聞くことはスキルではなく姿勢である。
第二が、自らの考えを理解してもらう意欲である。
そのためには何度も言い、身をもって示すことである。
第三が、言い訳やごまかしをしないことである。何事にも本気であることである。
第四が、仕事の重要性に比べれば、
自分など取るに足りない存在であることの認識である。

仕事と自らを一体化しないことである。
仕事とは、リーダーよりも重要であって、
リーダーとは別個の存在である。

マッカーサー元帥は、自分よりも頭の良い者はいないはずと自負しながらも、
部下の言に耳を傾けて最強のチームを作りあげた。
気性には合わなかったが、それがリーダーの役割だということを知っていた。

リーダーたる者は、献身しつつも個たり得なければならない。
その時仕事もうまくいく。
自らを仕事の外に置かなければならない。

【3分間ドラッカー上田淳生】

仕事の多くは、たとえごくわずかの成果をあげるためであっても、まとまった時間のかたまりを必要とする。こま切れでは意味がない。

Posted on 2014年7月6日

何かを伝えるには、まとまった時間が必要だ。
計画や方向付けや仕事ぶりについて、
部下と15分で話せると思っても、
自分が勝手にそう思っているだけである。

何らかの人間関係を築くには、
はるかに多くの時間を必要とする。
知識労働者との関係では、特に時間が必要である。

ドラッカーは、上司と部下との間に
権力や権威が障壁として存在しないためか、
あるいは逆に障害として存在するためか、
それとも単に物事を深刻に考えるためか、理由はともあれ、
知識労働者は、上司や同僚に多くの時間を要求するという。
共に働く人が多いほど、相互作用だけで多くの時間が費やされる。
仕事や成果や業績に割ける時間がそれだけ減る。

しかし、時間をまとめるには方法があるという。
ある人たち、なかでも年配の人たちは、
週に1日は家で仕事をしている。
研究者がよく使う方法である。
ある人たちは、会議や打ち合わせなど日常の仕事を、
週に2日たとえば月曜日と金曜日に集め、
ほかの日、特に午前中は、重要な仕事についての集中的な検討に当てている。

【3分間ドラッカー上田淳生】

利潤動機なるものを疑え、利益は世のため、人のための必要条件である。

Posted on 2014年6月28日

もともとの混乱の根は、
利潤動機という私的な動機が企業活動の動機であり、
基準であるとする考えにある。

利潤動機なるものは、その存在さえ疑わしいというべきである。
利潤動機とは、
古典派経済学が経済行為を説明するために考え出した概念である。
経済行為を理解するうえで利潤動機なるものは不要である。

しかし、天使が社長でも利益は必要である。

利潤動機とそこから派生する利益最大化の概念は、
事業の機能、目的、マネジメントとは無関係である。
無関係であるよりも悪い。害を与える。
利益の本質に対する社会の誤解と、
利益に対する根強い反感の原因となっている。
誤解や反感こそ社会にとっての病原菌である。

ドラッカーは利益を目的とすることは誤りだと口を酸っぱくして言う。
利益とは、世のため人のために、明日もっと良い事業をするための条件である。
それは目的や目標よりもきつい条件である。
実現できなければ存続さえ怪しくなるというものである。

未来のリスクを賄うための利益、
社会にとっての富の創出能力を維持するための
利益を上げることは企業にとって絶対の条件である。
企業活動とは、つねに変化を起こそうとする経済活動である。
それは、自分の座っている椅子の脚をのこぎりで挽くことに似ている。

【3分間ドラッカー上田淳生】

企業が成長を目標にすることは間違いである。成長は企業存続の条件にすぎない。

Posted on 2014年6月21日

長期にわたる高度の成長は不健全である。
それどころか、あまりに急速な成長は組織を脆弱化し、
マネジメントを不可能にする。緊張、弱点、欠陥をもたらす。
それらの緊張、弱点、欠陥ゆえに、ちょっとしたつまずきが致命傷となる。

ドラッカーは、今日の成長企業が明日の問題児になる宿命には、
ほとんど例外がないという。
成長を目標にすることは間違いである。大きくなること自体に価値はない。
良い企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。

しかし、存続の条件としての成長の最低点は検討しておかなければならない。
存続のための地位は確保しなければならない。
つまり、成長の最適点を検討しておく必要がある。
それ以上成長すると、資源の生産性が犠牲になる点はどこか。
収益性を高めようとすると、リスクが急激に増大する点はどこか。

成長の最高点ではなく、最適点こそ成長の上限としなければならない。

資源の生産性を全体として高める成長は、健全な成長である。
十分な栄養を与え支援しなければならない。
これに対し、量だけ増えて全体の生産性を向上させない成長は、
脂肪太りである。
生産性の低下を招く成長は、前癌症状ではないにしても腫瘍である。
手術で切除しなければならない。

【3分間ドラッカー上田淳生】

成果をあげるには貢献に焦点を合わせなければならない。手元の仕事から顔を上げ、目標に目を向けなければならない。組織の成果に影響を与える貢献は何かを自らに問わなければならない。

 Posted on 2014年6月14日

貢献に焦点を合わせることこそ、成果をあげる鍵だとドラッカーは言う。
仕事の内容、水準、影響力において、
あるいは上司、同僚、部下との関係において、
さらには会議や報告などの日常の業務において、成果をあげる鍵だという。

貢献に焦点を合わせることによって、
専門分野や限定された分野や部門に対してではなく、
組織全体の成果に注意を向けるようになる。
成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。

どのような貢献ができるかを自問することは、
仕事の可能性を追求することだとも言う。
そう考えるならば、多くの仕事において優秀な成績とされているものの多くが、
その膨大な貢献の可能性からすればあまりに小さいものであることが分かる。

貢献に焦点を合わせるということは、
責任をもって成果をあげるということである。
顔を上に向けることによって、他の人が何を必要とし、
何を見、何を理解しているかを理解できる。
さらには、組織内の人たち、部下、同僚に対し、
あなたが組織に貢献するには、
私はどのような貢献をしなければならないか、
いつ、どのように、どのような形で貢献しなければならないか
を聞けるようになる。


【3分間ドラッカー上田淳生】

成果を上げる秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果を上げる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。

Posted on 2014年6月7日

行うべき貢献を分析すれば、当惑するほど多くの重要な仕事が出てくる。
時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間は、
あまりに少ないことが分かる。いかに時間を管理しようとも、
時間の半分以上は依然として自分の時間ではない。

時間の収支は常に赤字である。
真に生産的な半日あるいは2週間を手に入れるには、
厳しい自己管理とノーと言うだけの不動の決意を必要とする。

人には驚くほど多様な能力がある。人はよろずやである。
だがその多様性を生産的に使うには、
それらの多様な能力を一つの仕事に集中することが不可欠である。
あらゆる能力を一つの成果に向けるには集中するしかない。

時間と労力と資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類が多くなる。
これこそ、困難な仕事をいくつも行う人の秘訣である。
ドラッカーは成果を上げられない人のほうが長く働いているという。

成果を上げる人は、多くのことをなさねばならないこと、
しかも成果を上げなければならないこと知っている。
したがって自らの時間とエネルギー、
組織の時間とエネルギーを一つのことに集中する。
最も重要なことを最初に行うべく集中する。

【3分間ドラッカー上田淳生】

「予期せぬ成功」ほどイノベーションの機会となるものはない。しかるに予期せぬ成功は無視される。困ったことには、その存在を認めることさえ拒否される

Posted on 2014年6月3日

予期せぬ成功を認めるのは容易ではないとドラッカーは言う。
勇気がいる。現実を直視する姿勢と、
間違っていたと率直に認めるだけの謙虚さがいる。

人は誰しも、長く続いてきたものが正常であって、
永久に続くべきものと考える。
自然の法則のように受け入れてきたものに反するものは、
すべて不健全、不健康、異常として拒否する。

予期せぬ成功は気づかれさえしない。
注意もされない。利用されないまま放っておかれる。
そこえ誰かが現れ、市場と利益をさらっていく。

予期せぬ成功に気づかないのは、
今日の報告システムが注意を喚起するどころか、
報告することさえしないからである。

月ごとにあるいは四半期ごとの報告書は、
その1ページ目において目標を達成できなかった分野と問題を列挙している。
定例の経営会議や取締役会では当然のこととして、
目標以上の成果を上げた分野ではなく、問題の起こった分野に関心を向ける。

「予期せぬ成功」は体系的に探究していかなければならない。
まず行うべきは、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、
注意を引く仕組みをつくることである。

【3分間ドラッカー上田淳生】

人の強みではなく弱みに焦点を合わせる者に、マネジメントの資格はない

Posted on 2014年5月24日

いかなる教養を有し、マネジメントについていかなる教育を受けていようとも、
経営者にとって決定的に重要なものは、教育やスキルではない。
真摯さである。

経営者にとってできなければならないことは、そのほとんどが学ぶことができる。
しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、
初めから身につけていなければならない資質がある。
才能ではない。真摯さである。

経営者は人という特殊な資源とともに仕事をする。
人は共に働く者に特別の資質を要求する。
経営が本気であることを示す決定打は、
人事において断固人格的な真摯さを評価することである。

リーダーシップが発揮されるのは人格においてであり、
人の範となるのも人格においてだからである。
ドラッカーは、真摯さは習得できないという。
仕事に就いた時にもっていなければ、あとで身につけることはできないという。
ごまかしはきかない。一緒に働けば、
特に部下には、その人間が真摯であるかどうかは数週間で分かる。

部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことを許す。
しかし、真摯さの欠如だけは許さない。
そのような人間を選ぶ者を許さない。

人の強みではなく弱みに焦点を合わせる者を
マネジメントの地位につけてはならない。
人のできることは何も見えず、
できないことはすべて知っているという者は、組織の文化を損なう。

【3分間ドラッカー上田淳生】

成長に最大の責任をもつ者は、本人であって組織ではない。自らと組織を成長させるためには何に集中すべきかを、自ら問わなければならない。

Posted on 2014年5月18日

紀元前440年頃、ギリシャの彫刻家フェイディアスは、
アテネのパンテオンの庇に立つ彫刻群を完成させた。
フェイディアスの請求書に対し、アテネの会計官は全額の支払いを阻んだ。
「彫刻の背中は見えない。見えない部分まで彫って請求してくるとは何事か」
フェイディアスは言った。「そんなことはない。神々が見ている」。

ドラッカーは言う。人は誇れるものを成し遂げて、誇りを持つことができる。
仕事が重要なとき、自らを重要と知る。
成長の鍵は責任だという。自らに責任を持たせることである。
あらゆることがそこから始まる。大事なものは、地位ではなく責任である。

責任ある存在になるということは、真剣に仕事に取り組むということであり、
仕事にふさわしく成長する必要を認識するということである。
他の者がおこなうことについては満足も有り得る。
しかし、自らがおこなうことについてはつねに不満がなければならず、
つねによりよく行おうとする欲求がなければならない。

【3分間ドラッカー上田淳生】

変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである

Posted on 2014年5月5日

今日のような乱気流の時代、
200年に一度という大転換期においては、
変化が常態だとドラッカーは言う。
変化はリスクに満ち、楽ではない。

しかし、この変化を乗り越える唯一の方法が、
あえて変化の先頭に立ち、変化の生み手になることだという。
恐怖は、後方の席に深々と腰を落ち着かせたとき、高まる。
変化は、最前列で腰を浮かせハンドルを握るとき、初めてコントロールできる。
いわんや今日の乱気流下の悪路にレールはない。
自らハンドルを握ることなく、転覆を避けることはできない。

急激な構造変化の時代を生き残るのは、チェンジリーダーとなる者だけである。
そして、そのチェンジリーダーになるための方法が、
変化を脅威でなく、チャンスとしてとらえることだという。
進んで変化を探し、本物の変化を見分け、
それら本物の変化を利用することである。

おそらくはこれこそが、ポストモダンにおける生き方、
考え方、事業の仕方の王道、常識となるべきものである。
この方法が成功を保証してくれるわけではない。
しかし、この方法なくして成功することはない。
みずから未来をつくることはリスクがともなう。
しかし、みずから未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい。

【3分間ドラッカー上田淳生】

手っ取り早く、しかもおそらくもっとも効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義しなおすことである。特に、行う必要のない仕事をやめることである。

Posted on 2014年4月18日

ドラッカーは今日、技術者、教師、販売員、看護師、現場の経営管理者など、
知識労働を行うべき人たちが、
ほとんど意味のない余分の仕事を課されて、
忙しさを増大させていると指摘する。

誰も読まない報告書を書かされ、
何も聞く必要のない会議に出させられている。
その結果、知識労働者の仕事は充実するどころか不毛化している。
当然生産性は破壊される。動機づけも士気も損なわれる。

看護師の意識調査を見ても、
看護の世界でしようと思ったこと、
そのために訓練を受けたことができないことにいらだっているという。
対策は簡単である。
すでにいくつかの病院では、
電話に応えたり花を活けたりする病棟職員にペーパーワークを回している。
途端に看護師に余裕が生まれ、看護に費やす時間が増えた。

驚くべきことに、それらの病院では、
看護師の数を4分の1削減し、
人件費を増やすことなく給与を引き上げることができた。
しかも病院中が活性化した。

【3分間ドラッカー上田淳生】

上司は部下の仕事に責任を持つ。部下のキャリアを左右する。したがって、強みを生かす人事は、成果を上げるための必要条件であるだけでなく、倫理的な至上命令、権力と地位に伴う責任である。

Posted on 2014年4月13日

強みを持つ分野を探し、
それを仕事に適用させなければならないことは、
人間の特性からくるところの必然である。

ドラッカーは全人的な人間や成熟した人間を求める議論には、
人間の最も特殊な才能、すなわち一つの活動や成果のためにすべてを
投入できるという能力に対する妬みの心があるとさえ言う。

それは、卓越性に対する妬みである。
人の卓越性は、
一つの分野あるいはわずかの分野においてのみ実現されるものだからである。

強みに焦点を合わせるということは、成果を要求することである。
真に厳しい上司とは、つまるところ、
それぞれの道で一流の人間をつくる人である。
彼らは、部下がよくできるはずのことから考え、
次に、その部下が本当にそれを行うことを要求する。

弱みに焦点を合わせることは無責任である。
上司たる者は、
部下一人ひとりの強みを可能な限り生かす責任を組織に対して持っている。
部下に対しても、彼らの強みを最大限に生かす責任がある。

知識労働の時代においては、
強みをもとに人事を行うことは、
知識労働者本人、人事を行う者、組織そのもの、
社会にとって欠くべからざることである。

【3分間ドラッカー上田淳生】

ボランティアの大勢が善意のアマチュアからスペシャリストとしての無給のスタッフに移行したことこそ、アメリカ社会の最も重要な変化である。

Posted on 2014年4月8日

かつてNPOは、ボランティアは無給だから支持できないと言っていた。
ところが今日では、ますます多くのNPOが、
ボランティアは無給だからこそ大きな貢献をなし、
仕事に満足してもらわなければならないとする。

ドラッカーはボランティアの活動すべてを支えるものが責任感だと言う。
かくしてアメリカの先端的なNPOでは、
ボランティアは、自らの成果が少なくとも年に一度は、
事前の目標に照らして評価されることを求めるという。

いまやボランティアのNPOに対する貢献と同じように、
NPOのボランティアに対する貢献が重要な意味を持つ。
この変化が企業にとって明快な教訓となる。
なぜならば、知識労働者の生産性を向上させることは、
企業のマネジメントにとって今日最大の課題だからである。
NPOがそれをどのように行うべきかを教える。

それは、使命を明らかにし、人材を的確に配置し、
継続して学習させ、目標によるマネジメントを行い、
要求水準を高くし、自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせることである。

【3分間ドラッカー上田淳生】