2016年

経営の哲学 マネジメントの三つの役割

Posted on 2016年3月15日

マネジメントには、自らの組織をして機能させ、
社会に貢献させるうえで三つの役割がある。
第一に、見らの組織に特有の使命を果たす。
第二に、仕事を通じて働く人達を生かす。
第三に、自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会の問題について貢献する。

【マネジメント】

変革の哲学 突然の構造変化が続く

Posted on 2016年3月7日

意味ある知識の内容と性格が不断に変化していくがゆえに、
世界経済そのものが、突然の構造変化を続けていく。
当然、企業とマネジメントのあり方も、急速に変化していく。

【経営論集】

仕事の哲学 人は何かを成し遂げたがる

Posted on 2016年2月21日

人は精神的、心理的に働くことが必要だから働くだけではない。
人は何かを、しかもかなり多くの何かを成し遂げたがる。
自らの得意なことにおいて、何かを成し遂げたがる。
能力が働く意欲の基礎となる。

【現代の経営】

変革の哲学 ~今日の当然が明日の不条理となる~

Posted on 2016年1月24日

組織は、絶えざる変化を求めて組織されなければならない。
組織の機能とは、知識を適用することである。
道具や製品やプロセスに対し、
仕事の設計に対し、
あるいは知識そのものに対し、知識を適用することである。
そして知識の特質は、急速に変化し、
今日の当然が明日の不条理となるところにある。

【未来への決断】

経営の哲学 ~組織の存在意義~

Posted on 2016年1月24日

企業をはじめとするあらゆる組織が社会の機関である。
組織が存在するのは組織自身のためではない。
自らの機能を果たすことによって、
社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。
組織とは、目的ではなく手段である。

【マネジメント】

仕事の哲学 ~成長~

Posted on 2016年1月24日

少ししか求めなければ成長しない。
多くを求めるならば、
何も達成しないものと同じ努力で巨人に成長する。

【経営者の条件】

必ず長期低迷を招くドラッカーが説く事業上の5つの大罪

Posted on 2016年1月15日

第一の大罪は、利益信奉である。
コピー機ほど大きな成功をおさめた製品はない。
しかし先行者は、機能を追加して利益幅を拡大した。
消費者の多くは単純な機能で十分だった。
そこで彼らは、単純な製品が現れれば、買う気になっていた。
そこへ、競争相手が現れて市場を奪っていった。

第二の大罪は、高価格品信奉である。
これもまた、競争相手を招き入れるだけの結果になる。
ファックスを発明した米国企業は、限度いっぱいの最高価格を設定した。
その結果、世界のファックス機市場は外国企業の手に渡った。
これに対して、ナイロンを開発したデュポンは、
下着メーカーに支払わせる価格よりも4割安い価格をつけた。
同社はずっと一流繊維メーカーの地位を保った。

第三の大罪は、コスト中心主義である。
ほとんどの欧米企業が、コストを積み上げ、
それに利益幅を上乗せすることによって価格を設定し、
その挙句に市場を失った。
価格設定の唯一健全な方法は、
市場が快く払ってくれる価格からスタートすることである。
その上で製品を設計する。
米国の家電メーカーが壊滅した原因は、
価格設定の方法の誤りにあった。

第四の大罪は、昨日崇拝である。
昨日を重視し、明日を軽んじる。
IBMは、かつてパンチカード事業を重視して
コンピューター事業を軽視し、その後、
メインフレームを重視してパソコンを軽視した。

第五の大罪は、問題至上主義である。
機会を放って問題にかかりきりになる。
GEは世界で1位か2位になる気のないものから手を引いたとき、
成長路線に乗った。

【3分間ドラッカー 上田惇生

中小企業には成長に足を取られる危険がある

Posted on 2016年1月4日

事業の成長は成果への報酬であり、喜ぶべきことである。
ところが、成長が災厄となる中小企業が多い。
順調かつ急速に成長しつつあるかに思われていたものが、
コントロール不能となり、深刻なトラブルに陥る。
この危機を乗り越えられるものは多くない。
たとえ乗り越えたとしても、
かつての成長力は影を潜めたままとなる。
運よく回復して成長路線に乗ったとしても、
一度負った傷はなかなか癒えない。

ドラッカーは、ほぼ20年間、米国を代表する日刊の経済新聞
「ウォールストリート・ジャーナル」への寄稿を重ねた。
何を書いても、その日のランチで話題になった。
しかもなかなか内容が腐らなかった。
特に、1977年に書かれた中小企業向けのアドバイスは、
今日でもそのまま通用する。

成長を災厄にしないための処方は何か。
第一に、成長は資金繰りを悪化させる。
したがって、キャッシュに目を光らせておかなければならない。
利益に目を奪われてはならない。
利益は緊急時の留保ぐらいに思っておいた方がよい。

第二に、成長は財務構造の変化を要求する。
資金源を高度化していかなければならない。
必要なときに必要な種類の資金を手にするには準備が必要である。

第三に、成長には情報が不可欠である。
経理の数字だけではとても足りない。
成長すればするほど、顧客と市場の情報を必要とする。
特に、顧客になっていて不思議でないにもかかわらず
顧客になっていない人達、すなわちドラッカーが言うところの
ノンカスタマーについての情報が必要である。

第四に、成長には廃棄が必要である。
製品、工程、流通チャネルを不断に見直し、
自ら陳腐化させていかなければならない。

第五に、オーナー創業者がすべてを引き受けることなしに、
トップの仕事はチームで分担するようにしなければならない。
健全に成長する中小企業にワンマン経営者はいない。
そもそもワンマンであったのでは本人が倒れてしまう。

【3分間ドラッカー 上田惇生】

中小企業には成長に足を取られる危険がある