2012年

2012年11月6日
いかなる企業も社会の機関であって、社会のために存在する。
企業は事業に優れているだけではその存在を正当化されない。
社会の存在として優れていなければならない。
2012年11月5日
今日の組織では、自らの知識あるいは地位のゆえに組織の活動や業績に実質的な
貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである
2012年11月2日
予期せぬ成功と異なり、予期せぬ失敗は取り上げることを拒否されたり、
気づかれずにいることはない。しかし、それが機会の兆候として受け止められる
ことはほとんどない
2012年11月1日
組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、
かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は次の6つである(後半)
2012年10月31日
組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、
かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は次の6つである(前半)
2012年10月30日
働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。
そのためには①生産的な仕事、②フィードバック精神、③継続学習が不可欠である
2012年10月29日
組織のすべての者において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、
「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である
2012年10月26日
成功を収めている企業の成功は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている
2012年10月25日
経営者が、時間の大半を今日の問題に使っているなどといういい方は、
婉曲話法にしかすぎない。正しくは昨日の問題に使っている。過去の修正に使っている
2012年10月24日
問題の解決によって得られるものは、通常の状態に戻すことだけである。
成果をあげるには、資源を問題にではなく、機会に投じなければならない
2012年10月23日
知識労働者は、それ自体が独立して成果となるようなものを生み出さない
2012年10月22日
企業にも企業以外の組織にも、本当の資源は一つしかない。人である。
2012年10月18日真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。
それはまず人事にかかわる決定において表れる
2012年10月17日
組織の目的は、凡人をして非凡なことを行なわせることにある。
天才に頼ることはできない。天才はまれである。あてにできない
2012年10月16日
働くことすなわち労働は人の活動である。人間の本性でもある。
論理ではない。力学である。そこには社会的な次元がある
2012年10月15日
予期せぬ成功は、体系的に探究しなければならない。
まず行うべきことは、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、
注意を引く仕組みを作ることである。
2012年10月12日
組織内の話し合いはくつろいで行わなければならないだけに膨大な時間を必要とする
2012年10月11日
人を資産として財務諸表に計上すべきであるとの提案には見るべきものがある
2012年10月10日
組織において最も重要かつ最も困難な問題は、長年、真摯に働いてきたがもはや
貢献できなくなった者の処遇である
2012年10月9日
マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させるうえで三つの役割がある。
それら三つの役割は異質ではあるが同じように重要である。

2012年10月5日
働くことすなわち労働は人の活動である。そこには社会的な次元がある。
組織社会では、働くことが、人と社会をつなぐ主たる絆となる。
社会における位置づけまで決める。
2012年10月4日
ベトナムのジャングルにおけるゲリラ戦では兵士全員がエグゼクティブである
2012年10月3日
知識労働者は上司や同僚に多くの時間を要求する
2012年10月2日
成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つある
2012年10月1日
成果をあげる人に共通するものは、つまるところ成果をあげる能力だけである
2012年9月28日
組織の目的は凡人をして非凡なことを行わせることにある
2012年9月27日
成長につながる最も効果的な方法は、予期せぬ成功を見つけ、追求することである
2012年9月26日
未来は明日つくるものではない。今日つくるものである。
今日の仕事との関係のもとに行う意思決定と行動によって、今日つくるものである。
2012年9月25日
企業そのものや企業の能力に直接影響を与える意思決定が、
組織のあらゆる階層において行われている
2012年9月24日
「成果」と「資源」は企業の内部にはない。いずれも外部にある

いかなる企業も社会の機関であって、社会のために存在する。企業は事業に優れているだけではその存在を正当化されない。社会の存在として優れていなければならない。

Posted on 2012年11月6日

企業は働く者に仕事を与え、株主に配当を与えるために存在するのではない。
消費者に対し財とサービスを提供するために存在する。
病院は医師や館看護師のために存在するのではない。
早く退院して、再び入院することのないことを願う患者のために存在する。
学校は、先生のためではなく生徒のために存在する。
これらのことを忘れたマネジメントはマネジメントではない。

【エッセンシャル版】

今日の組織では、自らの知識あるいは地位のゆえに組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである

Posted on 2012年11月5日

組織の活動や業績とは、企業の場合、新製品を出すことであり、
市場で大きなシェアを獲得することである。
病院の場合は患者に優れた医療サービスを提供することである。
組織のそのような能力に実質的な影響を及ぼすために、
知識労働者は意思決定をしなければならない。
命令に従って行動すればよいというわけにはいかない。
みずからの貢献について責任を負わなければならない。
みずからが責任を負うものについては、
自らの知識によってほかの誰よりも適切に意思決定をしなければならない。
したがって経営管理者のほとんどがエグゼクティブである。
しかし、現代社会では、経営管理者ではない多くの者もまたエグゼクティブである。

【経営者の条件】

予期せぬ成功と異なり、予期せぬ失敗は取り上げることを拒否されたり、気づかれずにいることはない。しかし、それが機会の兆候として受け止められることはほとんどない。

Posted on 2012年11月2日

予期せぬ失敗の多くは、単に計画や実施の段階における過失、
貪欲、愚鈍、雷同、無能の結果である。
だが慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときには、
失敗そのものが変化とともに機会の存在を教える。
製品やサービスの設計、マーケティングの前提となっていたものが、
もはや現実と乖離するにいたっているのかもしれない。
顧客の価値観や認識が変わっているのかもしれない。
同じものを買っているが違う価値を買っているのかもしれない。
それらの変化はすべてイノベーションの機会である。

【イノベーションと企業家精神】

組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は次の6つである(後半)

Posted on 2012年11月1日

第四に、トップの座にあるものだけの仕事として渉外の役割がある。
顧客、取引先、金融機関、労働組合、政府機関との関係である。
それらの関係から、環境問題、社会的責任、雇用、立法に対する姿勢についての
決定や行動が影響を受ける。

第五に、行事や夕食会への出席など数限りない儀礼的な役割がある。
むしろ大企業よりも、地場の中小企業のトップマネジメントにとって
逃れることのできない時間のかかる仕事である。

第六に、重大な危機に際しては、自ら出動するという役割、
著しく悪化した問題に取り組むという役割がある。
有事には、もっとも経験があり、最も賢明で、
もっとも傑出した者が腕をまくって出動しなければならない。
法的な責任もある。放棄することのできない仕事である。

【エッセンシャル版】

組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は次の6つである(前半)

Posted on 2012年10月31日

第一に、トップマネジメントには、事業の目的を考えるという役割がある。
すなわち、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を考えなければならない。
この役割から、目標の設定、戦略計画の作成、
明日のための意思決定という役割が派生する。

第二に、基準を設定する役割、すなわち組織全体の規範を定める役割がある。
目的と実績との違いに取り組まなければならない。
主たる活動分野において、ビジョンと価値基準を設定しなければならない。

第三に、組織を作り上げ、それを維持する役割がある。
明日のための人材、特に明日のトップマネジメントを育成し、
組織の精神を作り上げなければならない。
トップマネジメントの行動、価値観、信条は、組織にとっての基準となり、
組織全体の精神を決める。加えて、組織構造を設計しなければならない。

【エッセンシャル版】

働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには①生産的な仕事、②フィードバック精神、③継続学習が不可欠である

Posted on 2012年10月30日

働きがいを与えるため仕事そのものに責任を持たせるには、
第一に、自らに仕事を分析させ、プロセスを総合させ、管理手段と基準を検討させ、
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さらには、道具や情報を設計させることが必要である。
第二に、成果についてのフィードバック情報を与えることである。
自己管理が可能でなければならない。自らの成果についての情報は不可欠である。
第三の条件は、継続学習である。継続学習は、肉体労働者と同様、
事務労働者にも必要である。知識労働者にはさらに必要である。
知識労働者が成果をあげるためには専門化しなければならない。
したがって、他の専門分野の経験、問題、ニーズに接し、
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かつ自らの知識と情報を他の分野に適応できるようにしなければならない。

【エッセンシャル版】

組織のすべての者において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である

Posted on 2012年10月29日

組織におけるあらゆる階層、マネージャーの肩書や地位のないものにおいてさえ、
企業そのものや企業の能力に直接影響を与える意思決定が、
日常の現場で常に行われている。彼らは彼らなりに、漠然とではあっても、
自らの企業について何らかの定義を持って意思決定を行う。
「われわれの事業は何か。何であるべきか」との問いに対する答えを
それぞれが持って意思決定を行っている。
したがって、企業自らがこの問いについて徹底的に検討をおこない、
その答えを少なくとも一つは出しておかなければ、
上から下にいたるあらゆる階層の意思決定が、
それぞれ相違なる両立不能な矛盾した企業の定義に従って行われることになり、
非常に危険である。

【エッセンシャル版】

成功を収めている企業の成功は、「われわれの事業は何か」を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている

Posted on 2012年10月26日

自らの事業は何かを知ることほど、
簡単で分かりきったことはないと思われるかもしれない。
鉄鋼会社は鉄をつくり、鉄道会社は貨物と乗客を運び、
保険会社は火災の危険を引き受け、銀行は金を貸す。
しかし実際には、「われわれの事業は何か」との問いは、
ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。
分かりきった答えが正しいことはほとんどない。
「われわれの事業は何か」を問うことこそ、トップマネジメントの責任である。

【エッセンシャル版】

経営者が、時間の大半を今日の問題に使っているなどといういい方は、婉曲話法にしかすぎない。正しくは昨日の問題に使っている。過去の修正に使っている

Posted on 2012年10月25日

これはある程度避けられないことである。
今日存在するものはすべて昨日の産物である。
今日の事業、すなわち、資源、活動、組織、製品、市場、顧客は
すべて過去における意思決定と行動の結果である。
しかも、ほとんどの人間が、昨日の事業とともに育っている。
彼らの姿勢、期待、価値観は、昨日作られた。
したがって彼らは昨日の教訓を今日使おうとする。
事実、あらゆる企業が昨日起こっていたことを正常と見なし、
そのパターンに当てはまらないものは異常として退ける傾向をもつ。
しかし、いかに賢明かつ前向きで勇気のあった決定と行動も、
それらが普通の行為となり日常の仕事となった頃には
世の中の流れに遅れたものになっている。

【創造する経営者】

問題の解決によって得られるものは、通常の状態に戻すことだけである。成果をあげるには、資源を問題にではなく、機会に投じなければならない

Posted on 2012年10月24日

経済学者は、企業の目的として利益の最大化を論ずる。
しかし、利益の最大化は、すでに数知れず批判されてきたように、
あまりに曖昧な概念であってほとんど意味がない。
だが、機会の最大化ということであれば、
それは、企業家的な仕事についての正確かつ意味ある定義となる。
機会の最大化というならば、企業にとっては、
単なる効率ではなく成果こそが本質的に重要であるということになる。
重要なことは、いかに適切に仕事を行うかではなく、
いかになすべき仕事を見つけ、いかに資源と活動を集中するかである。

【創造する経営者】

知識労働者は、それ自体が独立して成果となるようなものを生み出さない

Posted on 2012年10月23日

知識労働者が生み出すものは、知識、アイデア、情報である。
それら知識労働者の生産物は、それだけでは役に立たない。
それらのものが意味を持つためには、他の知識労働者がインプットとして使い、
何らかのアウトプットを生み出してくれなければならない。
いか膨大な知識であっても、行動と姿勢に反映されなければ意味がない。
したがって知識労働者は、肉体労働者が行う必要のないことを要求される。
すなわち成果をほかの人間に供給することである。

【経営者の条件】

企業にも企業以外の組織にも、本当の資源は一つしかない。人である。

Posted on 2012年10月22日

組織が成果をあげるのは、人を生産的たらしめることによってである。
それは仕事を通じて行われる。
したがって、仕事を生産的たらしめることこそ、
あらゆる組織にとって基本的な機能である。
しかも現代社会においては、組織こそ、一人一人の人間にとって、
生計の資、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、
自己実現を図る手段である。
当然働く者が成果をあげられるようにすることが重要な意味を持つ。
これを可能にするものはマネジメントしかない。

【マネジメント】

真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず人事にかかわる決定において表れる

Posted on 2012年10月18日

真摯さは、とってつけるわけにはいかない。
すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。
ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは2、3週間で分かる。
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには寛大足りうる。
だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。
彼らはそのような者をマネージャーに選ぶことを許さない。
知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、
マネージャーとして無害なことがある。
しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、
真摯さに欠けていては組織を破壊する。
組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。
組織の精神を損ない、業績を低下させる。

【エッセンシャル版】

組織の目的は、凡人をして非凡なことを行なわせることにある。天才に頼ることはできない。天才はまれである。あてにできない

Posted on 2012年10月17日

凡人から強みを引きだし、他の者の助けとすることができるか否かが、
組織の良否を決定する。
同時に、組織の役目は人の弱みを無意味にすることである。
要するに組織の良否は、そこに成果中心の精神があるか否かによって決まる。
そのためには、
①組織の焦点は成果に合わせなければならない。
②組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせなければならない。
③配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事にかかわる意思決定は、
組織の信条と価値観によって行わなければならない。
これらの決定こそ真の管理手段となる。そして、
④これら人事にかかわる決定は、真摯さこそ唯一絶対の条件である。

【エッセンシャル版】

働くことすなわち労働は人の活動である。人間の本性でもある。論理ではない。力学である。そこには社会的な次元がある

Posted on 2012年10月16日

組織社会では、働くことが人と社会をつなぐ主たる絆となる。
社会における位置づけまで決める。
大昔から、働くことは、集団に属して仲間をつくる欲求を満たす手段だった。
アリストテレスが、人は社会的動物であるといったのは、
人は社会との絆のために働くことを必要とすると言ったのである。
もちろん、社会における人の位置づけと役割は、
職場における人の機能だけで決められるのではない。
多くの人は職場以外のコミュニティを持つ。
しかし働くことは、ほとんどの人にとって、社会との重要な絆である。
しかも働くことを通じての社会との結びつきは、
ときとして家族との結びつきよりも意味を持つ。
このことは、若い独身者や、子供たちが独立した後の年配者についていえる。

【エッセンシャル版】

予期せぬ成功は、体系的に探究しなければならない。まず行うべきことは、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、注意を引く仕組みを作ることである。

Posted on 2012年10月15日

そして、そのようにして提示された予期せぬ成功のすべてについて、
マネジメントたるものは次のように問わなければならない。
(1)これを機会として利用することは、わが社にとっていかなる意味があるか。
(2)その行き着く先はどこか。
(3)そのためには何を行わなければならないか。
(4)それによって仕事の仕方はいかに変わるか。
したがって、予期せぬ成功を検討するために特別の時間を割かなければならない。
また予期せぬ成功を分析し、
その利用方法を徹底的に検討する仕事を誰かに担わせなければならない。

【イノベーションと企業家精神】

組織内の話し合いはくつろいで行わなければならないだけに膨大な時間を必要とする

Posted on 2012年10月12日

成果をあげる組織では、トップマネジメントが意識して時間を割き、
時には新入社員に対してまで、
あなたの仕事について私は何を知らなければならないか、
この組織について何か気になることはないか、
われわれが手をつけていない機会はどこにあるか、
気づいていない危険はどこにあるか、
私に聞きたいことは何かとじっくり聞いている。
それらは、くつろいで行わなければならないだけに、膨大な時間を必要とする。
ゆとりがあると感じられなければならない。
それが結局は近道である。
そのためには中断のないまとまった時間を用意しなければならない。

【経営者の条件】

人を資産として財務諸表に計上すべきであるとの提案には見るべきものがある

Posted on 2012年10月11日

「人こそ最大の資産である」という。
もちろん、人を資産として記帳することはやさしくない。
資産とはその性格上、処分することが可能であり、
清算するとき価値を持つものである。
人は企業の所有物ではない。
売れないもの、所有しないものを資産として計上することはできない。
訓練による利益の測定方法、人それぞれの評価の方法など、実務的上の問題もある。
しかしそれでも、この提案には見るべきものがある。

【エッセンシャル版】

組織において最も重要かつ最も困難な問題は、長年、真摯に働いてきたがもはや貢献できなくなった者の処遇である

Posted on 2012年10月10日

帳簿係として働いていた者が、
組織の成長に伴い50歳で経理担当役員になったものの、仕事をこなせなくなる。
人は変わらないのに、仕事が変わってしまった。
だが、ずっと真摯に働いてきた。
そのような真摯さに対しては真摯さを持って報いなければならない。
だからといって、その者を担当役員にしておくべきではない。
彼の無能は組織を危うくするだけではない。
士気を低下させ、マネジメントへの不信を生む。
だからといって、クビにするのは間違いである。
正義と礼節にもとる。マネジメントの真摯さを疑わせる。
組織の精神というものを大切にするマネジメントは、この種の問題を慎重に扱う。

【エッセンシャル版】

マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させるうえで三つの役割がある。それら三つの役割は異質ではあるが同じように重要である。

Posted on 2012年10月9日

① 自らの組織に特有の使命を果たす。
  マネジメントは、組織に特有の使命、
  すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する。

② 仕事を通じて働く人たちを生かす。
  現代社会においては、組織こそ、一人ひとりの人間にとって、
  生計の糧、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、
  自己実現を図る手段である。当然、働く人を生かすことが重要な意味を持つ。

③ 自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。
  マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、
  社会の問題の解決に貢献する役割がある。

【エッセンシャル版】

働くことすなわち労働は人の活動である。そこには社会的な次元がある。組織社会では、働くことが、人と社会をつなぐ主たる絆となる。社会における位置づけまで決める。

Posted on 2012年10月5日

大昔から働くことは、集団に属して仲間を作る欲求を満たす手段だった。
アリストテレスが、人は社会的動物であるといったのは、
人は社会との絆のために働くことを必要とすると言ったのである。
もちろん、社会における人の位置づけと役割は、
職場における人の機能だけで決められるのではない。
多くの人は職場以外のコミュニティを持つ。
しかし働くことは、ほとんどの人にとって、社会との重要な絆である。
しかも働くことを通じての社会との結びつきは、
ときとして家族との結びつきよりも意味を持つ。

【エッセンシャル版】

ベトナムのジャングルにおけるゲリラ戦では兵士全員がエグゼクティブである

Posted on 2012年10月4日

ベトナムのジャングルにおける歩兵大尉へのインタビューにおいて、
「この混乱した状況でどう指揮しているか」との質問に対する答えがこうだった。
「ここでは、責任者は私である。しかし、部下がジャングルで敵と遭遇し、
どういてよいかわからなくとも、なにもしてやれない。
私の仕事は、そうした場合どうしたらよいかを予め教えておくことだ。
実際にどうするかは状況次第である。その状況は彼らにしか判断できない。
責任は私にある。だが、どうするかを決められるのはその場にいるものだけだ」
だから、現場にいる者はいつでもあらゆる場面で意思決定をしなければならない、
ゆえに兵士全員がエグゼクティブである。

【経営者の条件】

知識労働者は上司や同僚に多くの時間を要求する

Posted on 2012年10月3日

知識労働は肉体労働のように測定できない。
肉体労働者には「標準は1時間50個だが、君は42個しか生産していない」と言える。
知識労働者については
満足すべき仕事をしているかどうかを知ることさえ容易ではない。
知識労働者には自らを方向付けさせなければならない。
そのため、何が、なぜ期待されているかを理解させなければならない。
自らが生み出すものを利用する人たちのことを理解させなければならない。
そのためには多くの情報、対話、指導が必要となる。
ここでも時間が必要となる。
しかも上司と同僚にも多くの時間を割かなければならない。

【経営者の条件】

成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つある

Posted on 2012年10月2日

成果をあげるための身に着けておくべき習慣的な能力は次の五つである。

① 一番大事なことは「何に自分の時間がとられているか」を知ることである。
  残されたわずかの時間を体系的に管理することである。

② 外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである。
  「期待されている成果は何か」からスタートすることである。

③ 強みを基盤にすることである。
  自らの強みを上司、同僚、部下の強みの上に築くことである。
  弱みを基盤にしてはならない。
  すなわちできないことからスタートしてはならない。

④ 優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中することである。
  優先順位を決めそれを守るよう自らを強制することである。

⑤ 成果をあげるよう意思決定を行うことである。
  決定とはつまるところ手順の問題である。
  そして、成果をあげる決定は、
  合意ではなく異なる見解に基づいて行わなければならない。

【経営者の条件】

成果をあげる人に共通するものは、つまるところ成果をあげる能力だけである

Posted on 2012年10月1日

私が知っている成果をあげる人は、気質と能力、行動と方法、
性格と知識と関心などあらゆることにおいて千差万別だった。
共通点はなすべきことをなす能力だけだった。
成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積である。
実践的な能力は習得することができる。それは単純である。
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あきれるほどに単純である。七歳の子供でも理解できる。
しかし、身につけるには努力を要する。
掛け算の九九を習ったときのように練習による習得が必要になる。
六、六、三六が何も考えずにいえる条件反射として見につかなければならない。
習慣になるまで何度も反復しなければならない。

【経営者の条件】

組織の目的は凡人をして非凡なことを行わせることにある

Posted on 2012年9月28日

組織の目的は凡人をして非凡なことを行わせることにある。
天才に頼ることはできない。天才は稀である。あてにできない。
凡人から強みを引きだし、
他の者の助けとすることができるか否かが、組織の良否を決定する。
同時に、組織の役目は人の弱みを無意味にすることである。
要するに、組織の良否は、そこに成果中心の精神があるか否かによって決まる。

【エッセンシャル版】

成長につながる最も効果的な方法は、予期せぬ成功を見つけ、追求することである

Posted on 2012年9月27日

自らの成長につながる最も効果的な方法は、
自らの予期せぬ成功を見つけ、その予期せぬ成功を追求することである。
ところがほとんどの人が、
問題にばかり気を取られ成功の証しを無視する。
報告書も問題に焦点を当てている。
最初のページには、前期の業績不振についての要約がある。
しかし、そこには当初の計画や予算よりも良い成績を記すべきである。
そこにこそ予期せぬ成功の兆しが現れる。
最初は無視してしまうかもしれない。
「放っておいてくれ。問題の解決に忙しいんだ」
これではいつまでたっても成長はやってこない。

【非営利組織の経営】

未来は明日つくるものではない。今日つくるものである。今日の仕事との関係のもとに行う意思決定と行動によって、今日つくるものである。

Posted on 2012年9月26日

経営者は事業の未来についてもっと時間と思索を割かなければならない。
ところが、今日の仕事が経営者のすべての時間を奪っている。
さらに、その今日の仕事さえうまく行われていることは稀である。
目の前の仕事に満足している経営者はほとんどいない。
経営者たちは、日常の目まぐるしさに紛れ、
未決箱に積み上げられた書類によって酷使されている。
もちろん、あれこれの急を要する問題を解決するための緊急プランでは、
的確かつ永続的な成果はあげられないことはわかっている。
それにもかかわらず、次から次へと緊急プランに追われている。
しかも、何度問題を解決しようが、同じ問題がまた起きる。

【創造する経営者】

企業そのものや企業の能力に直接影響を与える意思決定が、組織のあらゆる階層において行われている

Posted on 2012年9月25日

今日の企業は、組織のほとんどあらゆる階層に、
高度の知識や技術を持つ者を多数抱える。
それら高度の知識や技能は、仕事の進め方や仕事の内容を左右する。
その結果、「何を行い、何を行わないか」「何を続け、何を止めるか」
「いかなる製品、市場、技術を追求し、いかなる市場、製品、技術を無視するか」
などのリスクを伴う意思決定が、
かなり下の地位の、しかもマネージャーの肩書や地位のない研究者、
設計技師、製品計画担当者、税務会計担当者によって行われている。

【エッセンシャル版】

「成果」と「資源」は企業の内部にはない。いずれも外部にある

Posted on 2012年9月24日

およそ企業の内部には、プロフィットセンターはない。
内部にあるのはコストセンターである。
技術、販売、生産、経理のいずれも、
活動があってコストを発生させることだけは確実である。
しかし成果に貢献するかはわからない。
成果は、内部にいる者や、企業の支配下にある者によって決められるのではない。
市場経済における顧客、統制経済における政府当局といった
外部の誰かによって決められる。
企業の活動が、成果を生むか無駄に終わるかを左右するのは、
企業の外部にいる者である。
企業とは外部にある資源すなわち知識を、
外部にある成果すなわち経済的な価値に転換するプロセスである。

【創造する経営者】